＜概要＞

のどかな温泉街にある学園に通っている主人公は、ある日友人に温泉部の復興を頼まれる。
また同じ頃、実家の温泉旅館に儚げな少女がやってくる。
この出会いをきっかけに、主人公と少女たちの運命が静かに動き出していく。

＜シナリオ＞

6

温泉部の立て直しを手伝いつつ、周りの女の子たちと仲良くなっていくという、純愛ストーリーです。
ドタバタあり、シリアスありのシナリオながら、基本はほのぼのな雰囲気で進んでいきます。


構成は共通ルート後、個別ルートに入るスタイル。

共通ルートは温泉部存続のために頑張るドタバタ展開。
徐々に部員を集め、本格的な部活動をしていく基本ストーリーの合間に、個別のミニシナリオを選択肢で選んでいくというシステムです。
主人公たちがあまり緊張感のない感じなので、ほのぼのとした雰囲気が終始あります。

個別ルートに入ると、ヒロインたちが抱える問題に直面しながらも、絆を深めていく展開。
シリアスな話も多く、涙を誘う場面も出てきます。
ラストは切ないながらも一応、トゥルーエンドで終わる形がほとんどです。
話が急展開することが多く、面食らうこともしばしばでした。

全キャラ攻略後、過去編ルートが出てきます。
街の歴史と謎が描かれています。
こちらも終盤、すごい急展開です…。

気になったのが誤字脱字。
私は修正パッチVer1.02を当ててプレイしましたが、それでも結構目に付きました。

＜キャラ＞

7

主人公の幼馴染。
おっとり、のほほんとしたマイペースな娘。

共通ルートでは、世話焼き幼馴染、天然、ドジっ子と様々な属性を発揮します。
一途に頑張る姿はよかったです。

個別ルート前半は、微妙な距離感に悩みつつもほのぼのな雰囲気なんですが、後半一気に急展開します。
終盤は涙を誘う展開になり、そのまま切ないラストへと進んでいきます。

主人公の元クラスメイト。
温泉部の部長として部存続のため、主人公を部員に誘ってきます。

明るく、行動力もあり、頼まれると断れない優しい娘です。
共通ルートでは、ムードメーカー兼トラブルメーカーとして活躍します。

個別に入ると彼女の心の問題と向き合いつつ、温泉部としても頑張ります。
悠ルートしか温泉部活動しないんですよね…。
シナリオ的には一番しっかりしたルートだと思います。

悠のクラスメイトで、温泉部部員。
無口で無表情で毒舌家。

主人公に冷たい嫌悪系ツンデレです。
共通ルートではその鋭いツッコミが冴え渡ります。

仲良くなって以降は主人公にべったりの最も甘甘な展開。
ラストはムリヤリ終わらせた感がありましたが、一番のハッピーエンドです。

「おはよう、ゆーや」←なぜかひらがなだと可愛い…。

実家の温泉旅館で働くクラスメイト。
言動は奥ゆかしく丁寧な、やまとなでしこ的女性。

共通ルート中に部員になる彼女ですが、影が薄いような気が…。
旅館で働いていることもあり、お休みすることもしばしばです。

個別では彼女自身の問題もあり、関係が発展するのに苦労しますが、最終的にはハッピーエンドです。
しかし、あくまでその後出る過去編へのつなぎといった形で、彼女の見せ場はこれから。
過去編も序盤は面白かったですが、最後急展開すぎで少し残念でした。

いいキャラはいましたが、基本的にメインキャラとかぶってる気がします。
秋香さん＝悠、明日香＝つむぎ、みたいな。
墨崎姉弟を含め個々はいいキャラだったので、もう少しキャラ立ちしてくれればと思いました。
あと、明日香は可愛かったので、もう少し出番＆ルートが欲しかったです…。

＜主人公＞

7

現実的学生主人公。
情に厚く、困難に立ち向かう根性もあると思いますが、単純で熱くなりやすい一面も。
普段の会話でも基本ボケでいじられキャラです。
決めるべきときは頑張ってくれるので、好感は持てる主人公だと思います。

＜絵＞

7

やわらかく、繊細な絵です。
CG、立ち絵共に安定してると思います。
デフォルメキャラがとても可愛かったです。

CGは66枚。
数はやや少なくて残念です。

＜音楽＞

8

キャラエンドでは主題歌、過去編エンドのみEDが流れます。

主題歌は落ち着いた曲。
ラスト余韻を楽しめる曲だと思います。

EDはもっとしっとりとしたバラード。
こちらも余韻を楽しめる、更にいい曲でした。

＜システム＞

8

基本システムは全てありますが、音響設定の充実に比べ、環境設定がやや物足りない印象でした。
文字表示速度やテキストウインドウ濃度をもっと自由にできたら、更によかったです。

セーブ数50箇所+オートセーブ+履歴。
セーブ日時の他、シーン画像とメッセージの一部が保存されます。
数は履歴もありますし、とりあえずは足りるかと。
キャラ選択画面でセーブできないのはどうかと思いました。一番ここでしたいのに…。

＜総合＞

66

まず一番気になったのが、共通ルート時のつむぎへの接し方。
何の説明もなくフレンドリーに接してるかと思えば、キャラ選択でつむぎを選ぶと「はじめまして」だったり。
こういった整合性の問題はどうにかして欲しかったですね。

基本的にほのぼのとした展開なのに、終盤に急展開するのはどうかと思いました。
ラストもムリヤリ終わらせた感じのものが多かったです。
基本は純愛なので、細かいことを気にせずマッタリプレイするのがよさそうです。
（以下ネタバレ）
唯一泣いた愛歌ルートのラスト。
終盤の展開はとてもよかったのですが、伏線もなくいきなり秋香さんが倒れるのはどうかと…。
もう少し段階踏んでくれれば、もっといいシナリオだったと思います。
（ネタバレおわり）

＜お気に入りキャラ＞

翠川悠
明るく姉御肌でもある彼女に。
せっかくメイドさんコスを出したんだから、もっと活かして欲しかった…。