<概要> |
昭和11年の東京。
ジャズバーでピアノ弾きを生業としていた主人公はある日、見知らぬ芸妓に襲撃される。
何とか芸妓を気絶させた主人公だったが、次の日彼は芸妓殺人事件の容疑者になっていた。
果たして、彼の無罪は証明されるのだろうか。 |
<シナリオ> |
8 |
昭和初期を舞台としたミステリーADVです。
全体的に大人な雰囲気漂う落ち着いたシナリオになっています。
構成は全10章。
共通ルートを経て各個別ルートへと分かれていきます。
柚芭、久遠、美華夏攻略後真相解明ルートが出現し、その後綾音ルートが出る流れです。
共通ルートは主人公が身を隠しつつ、事件の真相を知ろうと頑張る展開。
結構普通に出歩いて各ヒロインたちと接してますので、いい意味でそれほど緊張感は感じなかったですね。
共通ルート終盤にもう一度大きな事件が起き、そこから個別へと向かいます。
ラストはアクションもあり緊迫した展開となりますが、手放しでのハッピーエンドはほぼありません。
途中でもBADエンドあり、ヒロイン死亡ありとなかなか重いストーリーです。
真相解明ルートで今までの謎が解明されていき、綾音ルートでハッピーエンドへという流れになります。
心情描画が甘い部分があったりと、終盤は不満も出てきましたが、最後はいいラストだったと思います。 |
<キャラ> |
8 |
白河綾音(しらかわあやね) CV:風音 |
主人公が芸妓に襲われた折にかくまってくれた女性。
再会した後は主人公の無実を晴らすために奔走してくれます。
我が強く頑固だけど面倒見のいい女性です。
好奇心旺盛で行動力もあるため、見ていて危なっかしい時も。
彼女は一番最後のルート。
少し切ない、ハッピーエンドです。
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橘美華夏(たちばなみかげ) CV:うえおかあい |
主人公の幼馴染。
出版社で働いてることを活かしつつ、主人公を助けてくれます。
明るくさっぱりとした性格だが、主人公にはあまり素直じゃないです。
お小言を言いつつも、主人公のために頑張ってます。
個別では危機がありつつも、とりあえずは事件を解決してのエンドとなります。
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御巫久遠(みかなぎくおん) CV:井村屋ほのか |
バーでであった少女。
見た目は幼いながら、博識で大人びた印象です。
裏メインヒロイン。
ミステリアスな雰囲気を持ち、どこか達観した印象を抱かせる娘です。
個別ルートでは一応事件解決しますが、謎がほとんど分かりません。
彼女の見せ場は真相解明ルートだと思います。
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玖藤柚芭(くどうゆずは) CV:岩田由貴 |
主人公の妹。
長い間ほとんど接点がなく、最近一緒に暮らし始めたため、ブラコン度がやや高いです。
明るく元気な娘。
主人公を心配しているが、何も出来ない自分に歯痒さを感じてます。
個別は禁断の愛に悩みつつです。
ラストはハッピーエンドですが、こちらも謎はほとんど分からないままです。
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韮崎璃宝(にらさきりほ) CV:南雲涼 |
主人公と共にバーで働くシンガー。
色気たっぷりで気だるげな女性です。
自由を何より愛し、人付き合いもドライ。
個別ではある意味BADエンド。
事件解決ではなく、彼女との生活を考えます。
そういう選択肢もありだとは思いますが…。
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高梨千花(たかなしちか) CV:草柳順子 |
バーに住み込みで働く女給。
主人公を少し怖がってます。
控えめでおとなしい娘です。
主人公を避け気味ですが、悪い人ではないと思っている模様。
個別はこちらも事件解決よりも…という内容です。
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サブキャラ |
ヒロインたちより個性の強いキャラが多いです。
特に男性キャラ。
かっこいいキャラ、ボケキャラなどとても個性的でした。
あと、個人的に葵ルートは欲しかったかも…。 |
<主人公> |
7 |
境遇に泣いた主人公。
強くクールだが心根は優しいかっこいい主人公ですが、如何せん逃亡生活のため、ほとんど何もしてません。
ラストのアクションシーンでも少し見せ場は作るものの、おいしい所は他のキャラに持ってかれます。
更に謎解きもほとんど出来ずと、残念と言わざるを得ないキャラでした。 |
<絵> |
8 |
独特の繊細な絵です。
CG、立ち絵共にシックで大人な雰囲気という感じでした。
CG枚数は223枚。
とても多いです。 |
<音楽> |
9 |
OPは落ち着いた曲。
作品の雰囲気にも合っていて、とてもいい曲です。
EDは更にゆったりとした曲で、ラストの余韻を感じられる曲でした。
挿入歌はジャズでBGMもジャズが多かったです。
こちらも雰囲気に合ったいい曲が多く、特にマスターとのセッションはよかったです。 |
<システム> |
9 |
基本システムはほとんどあります。
スキップも早く、自動追尾や個別設定などのプラスαもあり、なかなか快適でした。
セーブ数は120箇所。
セーブ日時の他、章タイトルとシーン画像、自由記述のコメント(初期値はメッセージの一部)が保存されます。
これだけあれば十分だと思います。 |
<総合> |
76 |
テキストも読みやすく、理解しやすい内容ですが、基本的に主人公が何も出来ないのはどうでしょう。
更に、早めに個別に入ってもほとんど内容が同じで、スキップが多くなったところもマイナス要素です。
シナリオとしては十分よかったと思いますが、主人公が置いてけぼりで感情移入がし難く、ヒロイン同士の関係が希薄だったのも残念でした。
(以下ネタバレ)
綾音ルートでの最後の夢なのかどうかという表現はなかなかよかったと思います。
もしあれが完全なパラレルとして終わっていたなら、そういった考えもなくハッピーエンドと受け取りますが、あの表現によって切なさを感じつつのラストでした。
「例えこれが夢であったとしても、この世界でわたしは生きている。」
(ネタバレおわり) |
<お気に入りキャラ> |
橘美華夏
彼女の頑張りと一途さに。
ツンデレですしね。 |