<概要> |
科学が盛んな街で、5年前に事故で家族を亡くした主人公は母親と二人暮らしをしていた。
せわしなくも暖かい日々の中、ある日一人の少女が訪れた。
死んだ父親に関係があるらしい少女との出会いによって、主人公は過去の真実を知ることになる。 |
<シナリオ> |
9 |
突然現れた記憶喪失少女と生活していく中で、過去の事件の謎を知っていくというサスペンス風ADVです。
シリアスあり、アクションあり、純愛ありのシナリオになってます。
共通ルート後、個別ルートへ分岐する基本スタイル。
全キャラクリア後、タイトル画面に新しいルートが出てきます。
物語の補足をするショートシナリオが、シナリオの進行状況によって追加されていきます。
追加された時点で見ても、後で見てもかまいません。
共通ルートはヒロインたちとのほのぼの日々。
何度か事件は起きますが、基本的には穏やかな日々の中でヒロインたちとの仲を進展させていく流れになります。
個別ルートになると本格的な事件が起き、シリアス色が強くなります。
重い話になったり、残虐系だったりと、ルートによってはちょっときつめの展開も。
全キャラクリア後の新ルートでは、これまでの謎を明らかにする完結編的なストーリーです。
最後はスッキリとしたハッピーエンド。
やや、無理やりまとめた感ありましたが、全体的に見てしっかりとした作りになっている作品だと思いました。
誤字脱字はほとんど気になりませんでした。
修正パッチは一応出てますので、気になる方はどうぞ。 |
<キャラ> |
8 |
ユキ CV:松永雪希 |
主人公の元へやってきた、記憶喪失の少女。
素直で勉強家。更に、マイペースで好奇心旺盛です。
驚異的な身体能力と抜群の記憶力を持っています。
人生の経験値が足りないため、どこか危なっかしさがある妹系ヒロイン。
反則的な能力を持っていながらなので、ギャップがとてもいいです。
個別ルートは1週目固定です。
この物語の基本となる「メルクリウス」についての説明と謎提起がメインです。
男女関係にも無頓着だったユキが、やきもちを焼くなど徐々にそういった感情を持っていくところは可愛かったですね。
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羽ニ生真央(はにゅうまお) CV:みる |
主人公の幼馴染。
主人公の家で、半ば共同生活のように暮らしています。
明るく、人当たりのよい性格の上、家事全般が得意という良幼馴染キャラ。
主人公の父親の上司であった、真央の父親が残した研究資料をめぐるストーリーです。
徐々に真相に近づきつつ、幼馴染が故に関係を崩せないといったベタな展開をします。
なかなか重い展開ですが、主人公の頑張りが見え、最後はすっきりと終わるいいシナリオでした。
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清川心音(きよかわここね) CV:芹園みや |
主人公の後輩でお嬢様。
高いテンションと独特な言動で、まったくお嬢様設定が意味を成していません。
明るく行動力のある後輩として見れば、いいキャラです。
メルクリウスの要素の一つである「ナノマシン」を中心としたお話です。
個別ルートの中では、最も暴力あふれるストーリーになります。
少し設定と前後の流れに無理がある気もしますが…。
ラストもやや強引に終わらせた印象は拭えません。
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アル CV:松永雪希 |
ユキの姉。
ユキと違い、クールで大人びている。
現実的で、時として残酷に見えるときもありますが、根っこの部分ではいいヤツだと思う…。つまりツンデレ。
彼女に関しては簡単な説明でもネタバレ要素を含んでいます。
出来るだけそういった要素を出さないようにしていますが、一応隠します。
(反転)
ラストの完結ルートは別名アルルート。
ユキと同じ能力を持ちながら、回復能力が無いという欠点が別の意味でいいギャップです。
アドバイスをしてくれたり、実際に手伝ってくれたりと、主人公にも劣らない活躍を終始してくれます。
(反転終了)
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サブキャラ |
基本的に頼りになるキャラばっかりでいいですね。
お気に入りは笹原さん。
美人で性格も頭もよく頼りがいもあるが、不幸に好かれるという悲しい人です。
しっかりものなのに、結婚の話題だと大人気なくなるのが可愛い。
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<主人公> |
9 |
出来るヤツ。
優しく、頭が切れる上に行動力も根性もあるすばらしい主人公です。
コメディ系は苦手なのか、ボケやツッコミは少し薄いですが、周りの雰囲気にも合ってますし、いいのではないでしょうか。
現実的な出来る主人公としては、最高レベルではないかと思います。 |
<絵> |
9 |
可愛らしい絵です。
少々ロリ風味でセクシー系は難しいようですが、全体的に魅力的だと思います。
CGは102枚。多くも少なくも無くといったところです。
1枚だけ血だらけCGがありますが、グロというほどではないかと。 |
<音楽> |
8 |
OPはアップテンポな曲。
サスペンス系ですと、こういう曲はいいですね。
ワクワクさせてくれます。いい曲です。
EDはしっとりとしたスローテンポな曲。
終わった後の雰囲気を壊さない曲です。
スローすぎて眠くなってきますが…。
BGMは雰囲気を壊さない透明感のあるものが多かったです。 |
<システム> |
9 |
クイックセーブはありませんが、それ以外はほぼ文句はないです。
ほとんどストレス無く出来るのではないでしょうか。
セーブ数は90箇所+オートモード開始時セーブ6箇所。
セーブ日時の他、ゲーム内日時とルート名、シーン画像と自由記述のコメントが保存されます。
オートモードにすると自動的にセーブされるのは、どんな意味があるのか良く分かりませんでしたが…。
数的には問題ないと思います。 |
<総合> |
88 |
サスペンス系で主人公が出来るヤツと、私の好みにばっちりヒットしていました。
主人公の心理描写がしっかりしていたので、共感しやすかったです。
設定が難しい割にサクサク進んでいくので、理解しづらいというのはあるかもしれません。
これといったインパクトは無いですが、高いレベルでまとまっているという印象でした。
(以下ネタバレ)
学校の屋上で輸血をした事実。
更に回復能力が入れ替わる、とちょっとムリヤリ感があったところは残念でした。
ハッピーエンドで終わらすなら、しょうがないことかもしれませんが。
あと、アルルート欲しかった…。
(ネタバレおわり) |
<お気に入りキャラ> |
羽ニ生真央
すごい悩みましたが、可愛さで。
アルルートがあったら彼女だったと思います。 |