あかね色に染まる坂

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総合 シナリオ キャラ 主人公 音楽 システム
82 8 8 8 8 8 7


発売日
2007/07/27
ジャンル
ドラマティックADV
メディア
DVD-ROM(約2.0GB)
シナリオ
サイトウケンジ
原画
和泉つばす涼香、なちゅらるとん、澤野明(ミニキャラ)
音声
あり、主人公以外
OP:橋本みゆき、ED:ちかちゃん
CG枚数
100枚
セーブ数
136箇所+クイックセーブ1箇所
システム
クイックセーブ・ロード、全画面表示、バックログ、メッセージスキップ、オートモード


<概要>
平凡ながら穏やかな生活を送っていた主人公の学園に、一人の女の子が転校してくる。
最悪の出会いをしてしまったため嫌われてしまった主人公だったが、彼女は親が決めた許嫁だった。
ドタバタの学園生活の中で二人の関係はどうなってしまうのか。
<シナリオ>
8
前作『 青空の見える丘』から1年後の私立ファミーユ学園の姉妹校を舞台にしていますが、前作がドタバタ学園ものの萌ゲーだったのに対し、こちらはよりシリアス度が高くなっています。
とはいえ、基本的にはハッピーエンドですので鬱になることはなくプレイできるのではないでしょうか。


構成は話数形式。
各話にOPと予告があります。
共通ルートが18〜19話で、その後24〜26話までが個別ルートになっています。
各話の間に様々なキャラの視点のサイドストーリーがあり、本編で語ることの出来ないヒロインの心の中を見られるのは、なかなかいいのではないかと思いました。

共通ルートでは主人公と周りの人たちとの関係や、優姫が学園に馴染む様子をパロディネタなどを交えつつ描いています。
話しの内容に関してはシリアスなんですが、良く言えば遊び心を持った(悪く言えばボケ…)キャラがいっぱいで、どちらかといえばコメディタッチに話は進んでいきます。
ところどころに伏線があり、誰が敵で誰が味方か、というのを推理するのも楽しめました。

個別ルートでは新たな障害が生まれ、一度ヒロインと離れ離れになり、そこから努力してヒロインを取り戻すというのが基本。
大きな障害(特に主人公の親)に対し、途中ヘコみもしつつ、周りの助けを借りながら乗り越えていきます。


誤字脱字は若干。私はそれほど気になりませんでした。
修正ファイルが出ていますので、気になる方は当ててみては。
<キャラ>
8
片桐優姫(かたぎりゆうひ) CV:風音
ツンデレでお嬢様で許婚。
出会ったときの事件がきっかけで、主人公を嫌っています。いわゆる嫌悪系ツンデレですね。
最初から「バカ」だの「死ね」だの言ってきます。

個別ルートでは、デレる暇もなく事件に巻き込まれます。
もう少しデレが見たかったのが本音ですね…。

主人公に何度もヘッドバッドを食らわすメインヒロインは始めて見たので、最初は衝撃でした。

長瀬湊(ながせみなと) CV:水沢光
主人公の妹。
しっかりもので家事全般得意、凛々しい感じなのにかわいい物好きの上、主人公と二人の時は若干態度が砕ける、いくつ属性を付けるんだろう…というぐらいの完璧キャラです。

共通ルートでは妹としての役目?を全うしています。
主人公をかいがいしく世話し、女の子と仲良くしてると嫉妬したり、甘えてみたりと正に正統派妹キャラです。
基本的なスタイルはクール、いわゆるクーデレ?でしょうか。
すいません、クーデレは詳しくないので…。

霧生つかさ(きりゅうつかさ) CV:本山美奈
クラスメイト。としか言いようがありません。
ボーイッシュなのにナイスバディという、相反する二つの面を持ったキャラですが、それゆえに中途半端になってしまった感じです。
影の薄さもダントツです。

共通ルートでは、雰囲気を盛り上げるムードメーカーの立ち位置。
ところどころ活躍の場面がありますが、物語が進むにつれて影が薄くなっていきます。

白石なごみ(しらいしなごみ) CV:みる
不思議系の後輩。
ある意味、こちらもツンデレです。
私は不思議系はあまり得意ではないのですが、彼女は全然OKでした。
計算された不思議系だと、イライラ感がこないのが原因でしょうか。

彼女の立場ゆえ共通ルート、他キャラの個別ルートを通じて多くの見せ場があります。
普段は主人公相手に漫才をやっておきながら、トラブルが起きたときはさりげなくアドバイスを送る。
とてもいい立ちポジションだな〜と思います。

ああいう世界の住人には憧れます。

椎名観月(しいなみつき) CV:森谷実園
アイドル会長。
明るく可愛く優しい会長さんで、男子の9割がファンです。
笑顔の裏にブラックさを隠しているのが更に気に入りました。

共通ルート、他キャラルートでは可愛さだけでなく頼りになる部分も出し、多いに助けになってくれます。
普段の会話でも、ボケよしツッコミよしのオールラウンダーぶりを発揮。
ノリのよさも手伝って見事な掛け合いを演じてくれます。

個別ルートでは全キャラで一番ラブラブです。

橘みこと(たちばなみこと) CV:佐本二厘
前作のサブヒロイン。
おっとり系で今回は先輩として登場。
前作で人気のあったキャラを、次回作にヒロインとして登場させたのは珍しい試みだと思います。
やや会長とキャラかぶってるような…。

SPスタートといった形で完全に独立し、12話で終了。
とたんにファンタジー色が強くなります。
話の中に前作ネタがところどころあり、前作未プレイだとつらいような気がします。
あくまでもオマケとして接するのがいいかもしれません。
前作では名サブキャラだっただけに、残念な扱いな気がします。

サブキャラ
親友に先生、親父はもちろんモブキャラに至るまで、なかなかいい味出した濃いキャラばかりでした。
特に先生がかっこいい。
生徒たちに人気の出る見本のような先生です。
親友の冬彦は2枚目の完璧超人。
自分より明らかに能力が上の存在がとなりにいるのは、ちょっとどうなの?と思う今日この頃でした。
<主人公>
8
2.5枚目。
基本的には高いテンションでボケにツッコミに奔走し、いざというときは鍛えられた瞬発力で活躍します。
やるときはやる男ですが、他の女の子が凄いキャラばっかりなので、せっかくの魅力も半減といった感じです。
ですが、基本的には行動力があり、活躍でき、笑いも取ることができるいい主人公です。
<絵>
8
可愛らしいレベルの高い絵柄です。
絵師さんが複数いるんですが、ほとんど気にならないレベルでした。
キャラデザは、会長やなごみは少し思い切ったな〜と思いましたが、進めていくうちに違和感はなくなりました。
ガンダムネタが分からない私には、会長の髪形ネタがわからないのが残念です…。

CGは100枚。多くも少なくもなくといったところです。
<音楽>
8
OP、ED共にアップテンポの感じのいい曲です。

OPはムービーと合わせると、更にワクワク感を出してくれていい感じです。

EDは各シナリオがムリヤリ終わらせようとするのを、(いい意味で)見事に助ける勢いのある曲でした。

BGMはよくもなく悪くもなく。
雰囲気を壊さないという意味では合格点ではないかと。
<システム>
7
基本的なものはそろっています。
不都合を感じるのは少ないかと思います。
OPムービースキップはいい機能だったかと思います。
ですが、次回予告にテキスト表示がなく、バックログも出来ません。
スキップやクリック連打で誤ってとばしてしまうということがありましたので、そこはどうにかして欲しかったです。

セーブ数は136箇所+クイックセーブ1箇所。
セーブ日時の他、シーン画像と話数、章タイトルが保存されます。
これだけあれば足りないということはないと思います。
<総合>
82
どのキャラルートでも、ラストがご都合主義といいますか、尻つぼみ感が否めません。
ですが、個人的にはこの雰囲気は好きです。
特に共通ルートの掛け合いは、ボケツッコミのバランスやタイミングが良く、ちりばめられてるパロディネタには思わずディスプレイの前でツッコミ入れてました。
シリアス要素も十分楽しめましたし、それだけに、ラストのムリヤリっぷりが残念でした。

基本的にどのキャラも、他キャラルートの方がいい味を出していたような気がします。
特に優姫の湊ルートでの男前っぷりには惚れ惚れしました。


攻略に関して、全員攻略した後、優姫のEDを見ないとシーンが一つ回収できません。
その為、ED前にセーブをするか、優姫を最後に回すことをお勧めします。


設定や各キャラを見れば、もっといい作品になれそうな感じがあるだけに、惜しい感じです。
とはいえ、いいキャラ、いい雰囲気を持っているバランスの取れた作品ではないでしょうか。
(以下ネタバレ)
私は会長を最初にクリアしたため、いきなり黒幕が分かってしまったのが残念でした。
もう少し後ろに回せば、より楽しめたのではと思いました。

(ネタバレおわり)
<お気に入りキャラ>
椎名観月
あの可愛さと腹黒さにやられました。
ツンデレ好きですが、ここは会長で。
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