終末少女幻想アリスマチック

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総合 シナリオ キャラ 主人公 音楽 システム
90 9 9 9 10 9 9


発売日
2006/10/27
ジャンル
少女剣劇・救世虚構恋愛奇譚
メディア
DVD-ROM(約2.6GB)
シナリオ
嵩夜あや
原画
音声
主人公以外フルボイス(一部パートのみ主人公もボイスあり)
OP、挿入歌:榊原ゆい、ED:中原涼
CG枚数
98枚
セーブ数
100箇所
システム
全画面表示、バックログ、メッセージスキップ、オートモード、選択肢リターン


<概要>
散花蝕(ペトレーション)による侵食が多発し、住む場所が失われつつある近未来の世界。
東京の新東雲学園研究都市に招聘された主人公は、散花蝕から世界を守るためのプロジェクトに参加する。
同じく集められた少年少女たちと共に、自らの運命を切り開いていく…。
<シナリオ>
9
世界の危機に集められた学生たちが、世界を守るために戦いを繰り広げるという物語です。
世界の危機に剣や魔法で戦うという重い題材なのでシリアスになりがちですが、コミカルな会話などがいいアクセントになっています。


構成は章ごとになっており、各章にOPと次回予告があります。
1章から3章途中までが共通ルート、その後個別ルートに入ります。

共通ルート前半は学園生活を中心とした日常シーンが基本。
明るくコミカルな展開で、ギャグやパロディを含めたテンポのいい会話は見ていて楽しくなります。

共通ルート後半から、徐々に緊迫した展開に。
仲間同士で戦ったり、未知なる敵との戦闘など、ドキドキできる展開となっていきます。

個別ルートになると、シリアスな展開に。
ヒロインが抱えた問題など、重い話が多くなっていきます。
基本的にはラストはハッピーエンド。
若干問題を残したまま終わり、という形ですが…。
<キャラ>
9
月瀬小夜音(つきがせさやね) CV:由良香
主人公のクラスメイトで凄腕剣士。
いつもゴスロリ衣装を身に纏っているお嬢様です。

冷静沈着で真面目で自信家。
剣以外にも様々な才覚に優れていてそれに自信を持っていますが、決して高慢にならないためいやな感じはなく、むしろかっこいいです。
結構お茶目なところや、恋愛に疎いところなどのギャップに彼女の可愛さも感じさせました。

個別ルートはかなり複雑で、驚きの設定などもあり、少し微妙な感じは否めません。

觀興寺六花(かんこうじりっか) CV:佐本二厘
主人公と同時期にやってきたおとなりさん。
明るく人懐っこい性格でムードメーカーです。

良くも悪くもワイルドな娘。
そんな中でも、女の子らしい一面をたまに見せてくれます。
豪快ながら、人の心の機微を読み取ろうとする繊細で優しい娘です。

個別では、成長を描いた一番分かりやすいシナリオだったかと。

中条白衣(なかじょうしろえ) CV:まきいづみ
中条黒衣(なかじょうくろえ) CV:文月かな
双子の後輩。
無口な姉と気の強い妹。

姉の白衣はおっとりしてややネガティブ思考の持ち主。
妹の黒衣は強気でアグレッシブとまったく正反対な二人です。
イヌと猫のセットという感じでしょうか…。

個別では一番恋愛を描いたシナリオです。
普段は内気なのにたまに積極性を見せる白衣や、ツンデレお約束のデレてるときの照れ顔など、随所にキャラの個性が出てました。

疋田伊織(ひきたいおり) CV:松永雪希
主人公の先輩。
無口で無表情ですが、コミュニケーションが苦手なだけで、基本は素直な性格です。

知識は豊富だが経験が少ないため、不安定で天然な印象を受けます。
打ち解けると結構話しかけてくれて、可愛いです。
博識で天然、年上でクールな外見なのに甘えてくるなど、これほどアンバランスなキャラも珍しいです。

個別では救われたり、救われなかったりと、一番大変なキャラです。

主人公の後輩。
このゲームの裏ヒロインです。

盲目だが魂魄を感じることが出来るため、普段の生活ではさほど不便はない模様。
箱入りということもあり、言葉遣いは丁寧で礼儀正しく、純粋で無垢な性格です。
ほのぼのとした雰囲気ながら、頑張ってる姿やオロオロしてる姿はとても可愛いです。

個別ルートは他キャラを全てクリアすると攻略可能。
ほとんど犠牲のない一番のハッピーエンドです。

サブキャラ
個性的なキャラが多いです。
印象的なのは信綱。
格好、強さ、立場といろんな意味ですごいです。
何でも出来るのにそれを普段は感じさせないのはかっこいいなあと思います。
<主人公>
9
努力家という言葉がぴったり。
絶えず前向きに行動する姿はとても好感持てました。
ギャグ交じりの会話もそつなくこなしていましたし、ヒロインへの対応の仕方もよかったです。
シナリオによってほとんど役に立たないのと、基本鈍感なのはご愛嬌。
<絵>
10
可愛らしさの中に色気を含んだすばらしい絵です。
立ち絵もよく表情が変わり、活き活きとしていました。
アクションシーンも演出も含めてかっこよくてかなり好印象でした。

CGは98枚。
数としては標準です。
<音楽>
9
OPは落ち着いた曲。
ゲームの雰囲気に合った綺麗な曲でかなりいい歌です。

EDも落ち着いたバラード風。
こちらもラストの雰囲気に合ってました。

挿入歌もゆったりとした曲です。
こちらはあまり印象に残ってませんが…。
<システム>
9
基本的なものは全て揃ってます。
難しい単語には注釈が出るのはかなり便利でした。

次回予告での音声に限りBGMボリュームに対応しているらしく、とても小さくなるのがちょっと不満でした。

セーブ数は100箇所。
セーブ日時の他、ゲーム内日時とシーン画像、自由記述のコメント(初期値はメッセージの一部)が保存されます。
これだけあれば足りないということはないと思います。
<総合>
90
第一印象は好みの分かれる作品だろうな〜でした。
複雑で膨大な設定を細かく解説しているため、とにかく難解です。
更に、複雑な設定を細かく描写しているのに時々その設定を覆したり、完全無視したりと最後は手に負えなかった感がありました。

テンポのいいコミカルな日常や、シリアスで重い展開など、メリハリの利いているのはとてもよかったです。
全体的には、世界観やキャラの心情描写などを細かく丁寧に練り上げた、かなりいい作品でした。
(以下ネタバレ)
冬芽と伊織を中心とした物語です。
特に伊織は何度も殺されすぎ…。
個別シナリオと冬芽ルートで救われたのでいいですけどね。
あと、結局誰が敵なのかよく分からないのは、感情移入の大きな弊害になりました。

(ネタバレおわり)
<お気に入りキャラ>
月瀬小夜音
かっこよさと可愛さを高いレベルで共有した、稀有なキャラでした。
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