<概要> |
芸術の才能に秀でた巽家で、唯一才能を開花できなかった主人公。
巽家の中から誰か一人が「空明市」に行かなければならないことを知り立候補した主人公だが、訪れた街でヨメだと名乗る女の子に出会う。
果たして主人公は、この「星が見えない街」でいったい何を知ることになるのだろうか。 |
<シナリオ> |
9 |
星が見えない街に訪れた主人公が、徐々にこの街に来た意味や、この街の秘密を知っていくというノベルゲームです。
神話や伝記といった要素を組み合わせた、シリアスなシナリオとなっています。
構成は大きく分けて2つ。
前半は共通ルート、後半が個別ルートになります。
かなり大まかにですが…。
共通ルートでは、ふたみとの共同生活の中で様々なキャラと接し、その合間に空明市や各キャラに関する問題を提起する形になっています。
基本的にはコミカルでラブコメ的な展開。
個性的なキャラ達が漫才のように会話するのは、見ていてとても楽しかったです。
2ndOP後、個別ルートに。
前半とは一転、様々な設定が絡み合う難解でシリアスなストーリーになります。
空明市の謎を知っていく主人公が、ヒロインと困難に立ち向かっていく様子を描いています。
難解な説明と唐突な展開が、若干とっつきにくいかもしれません。
ラストはやや強引な印象もありますが、とりあえずは綺麗な締めになっています。
誤字脱字はほとんどありません。 |
<キャラ> |
10 |
唯井ふたみ(いいふたみ) CV:遠井実瑠 |
自称、主人公のヨメ。
とても思いやりのある優しい娘だが、思ったことを全部口にする上にかなりずれた性格が災いし、他人と良く衝突しています。
共通ルートでは圧倒的なボケとしての存在感を醸し出しています。
彼女の一途さもあいまって、とても可愛らしいです。
「お主人ちゃん」の呼び方が、徐々に気にならなくなってくる自分にびっくりです。
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桜守姫此芽(おうすきこのめ) CV:風華 |
空明市の名門「桜守姫家」の息女。
古風な話し方をし、おしとやかで控えめで優しい大和撫子。
頭も性格もいい為、周囲からも多大な羨望を受ける、優雅な和服を身に纏うお嬢様です。
主人公に嫌われようと頑張るも空回りするところや、主人公の為に苦難に耐える姿はとても萌えました。
個別ルートでもはっきりとした敵がいる為、一番分かりやすいのではないでしょうか。
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明日宿傘(あすくさん) CV:北都南 |
主人公の一歳年上の先輩。
おっとりとした性格で周囲に癒しを与えるお姉さんです。
共通ルートでは脅威の食欲を有していたり、温かい助言をくれたりとすばらしい姉キャラです。
一歩引いたところから優しく見守るあの笑顔は和みました。
一転、個別ルートでは大暴れ。
その設定は反則じゃね?というほどの暴れっぷりでした。
戦闘服はかなりよかった…。
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サブキャラ |
個性あふれるいいキャラがいっぱいでした。
特にメメはツンデレ風味な通常時はもちろんよかったですが、後半の武闘派の彼女のかっこよさに燃えました。
更に男キャラ、特に茂一は渋くていいキャラでした。
個人的なお気に入りは静婆さんの若い時ですけどね…。 |
<主人公> |
8 |
共通ルートではツッコミ(主に対ふたみ)に、個別ルートでは問題解決に奮闘しています。
根性もあり、行動力もあるいい主人公だと思います。
特にふたみルートでは、やりすぎだろというくらいに頑張ってます。
しかし、他のルートでは肝心なとこで役に立っていません。
特に、傘ルートでは完全に空気です。
自分と周りの力を考えれば仕方ないことかもしれませんが…。 |
<絵> |
10 |
とても可愛らしく、各キャラの特徴がはっきりしている絵です。
とても丁寧な印象がありました。
立ち絵が活き活きしているのが印象的でした。
アクションシーンのCGがほとんどないのは、少し残念ではありましたが。
CGはカットインの背景(独断と偏見で判断)を除いて135枚。
やや多めだと思います。 |
<音楽> |
9 |
1stOPはさわやかでポップな曲。
悪くはないですが、3つの歌の中では一番印象に残っていません。
2ndOPは力強さの中にも切なさ漂う名曲です。
特にサビ部分は、これからの怒涛の展開を感じさせます。
とてもかっこいい曲でお気に入りです。
EDはしっとりとしたバラード。
余韻の残るいい歌です。
BGMもそのシーンに合ったレベルの高いものが多かった印象です。 |
<システム> |
8 |
及第点は超えていると思います。
それほど困ることは無いかと。
選択肢リターン機能がありますが、ほぼ使うことは無いかと思います…。
セーブ数は100箇所。
セーブデータはセーブ日時の他、ゲーム内日付とシーン画像、自由記述のコメント(初期値はメッセージの一部)が保存されます。 |
<総合> |
86 |
表現方法や説明の仕方、神話系の設定などはあの人気ゲームFateを思い出させます。
シナリオも簡単に理解できるものでない為、そういったものに耐性がないと微妙だと感じるかもしれません。
コメディとシリアスのバランスが良く、キャラの魅力を存分に引き出すシナリオだと思いますが、ラストはやや尻つぼみ。
ムリヤリ終わらせた印象は否めず、少し残念でした。
特に傘ルートは、あまりの急展開にさすがにちょっと引きました。
設定やシナリオでの言い回しなどとっつきにくい部分が多く、好みが分かれる作品だと思います。
そこをクリアできれば、かなり高評価できるのではないでしょうか。
(以下ネタバレ)
一番のお気に入りシーンは、初めて此芽の家に行った帰り、これからも呼び捨てでと頼んだ策に対し、あえて「巽殿」と呼んだ此芽。
しかしその後一人泣いたあのシーンは最高でした。
(ネタバレおわり) |
<お気に入りキャラ> |
桜守姫此芽
可愛かったです。
健気に頑張る姿がよかった…。 |