<概要> |
本州から少し南にある離島に暮らす主人公。
島唯一の学園に通っている主人公だが、島の産業の衰退と共に学生の数は減少していた。
学生寮も寮生の減少で主人公とヒロインたちのみが住んでいるだけだった。
彼らは転校生も巻き込み、時には反発しつつもドタバタと楽しい毎日を過ごしていく。 |
<シナリオ> |
10 |
寮生6人+1人の仲間たちと精一杯楽しく過ごしていく、ほのぼの青春ストーリーです。
寮生たちの絆を中心に、笑いあり涙ありのシナリオになっています。
構成は3部構成。
Act.1はキャラ紹介と状況把握。
Act.2で各キャラへの絞込み。
Act.3で個別ルートとなります。
すべてのキャラをクリアすると、真のエンディングとも言うべき「約束の日」ルートが出て、その後オマケルートが出るという流れです。
Act.1、Act.2を合わせた共通ルートは見事。
各キャラの魅力を存分に引き出し、感情移入しやすいテキストで、それがテンポよく進みますのでとても読みやすいです。
困難に直面した寮生たちが力を合わせて乗り切ろうとする姿は、見ていてとても気持ちよく、次が気になる展開になっていました。
個別ルートに入ると、シリアス風味が強くなっていきます。
その中にもギャグが散りばめてあり、メリハリの利いた展開。
個別ルートでもすべてのキャラが関わっており、寮生の絆を常に描画できているところもすごく良かった点です。
このゲーム最大の見せ場である「約束の日」。
寮生全員との絆をメインに進んでいる為、この頃は私自身も完全に寮生になっていました。
そこであれですから、まあ、泣くなと言う方が無理かと。
正直、展開は予想できてたんですが、それでも感動できる破壊力でした。 |
<キャラ> |
9 |
沢城凛奈(さわきりんな) CV:河合春華 |
物語開始時に寮に入ってくる「新入り」。
他人と関わりを持とうとしないツンツン娘。
という印象はAct.1まで。
それ以降は食い意地張ってる典型的運動バカになって、ムードメーカーとして力を発揮。
強気なのに実は弱いなんてところも含めて、彼女には「ギャップ」という言葉がぴったりです。
個別ルートラストで、最初のシーンでの主人公の宣言の話を持ってきたところはジーンときました。
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羽山海己(はやまうみ) CV:石川乃奈 |
主人公の幼なじみ。
このゲームの真のヒロインです。
彼女ほど、最初と最後の印象が変わるキャラは初めてでした。
最初は地味で気が弱く、ネガティブ思考と見るたびにイライラする一番嫌いなキャラでした。
しかし物語が進むにつれ、彼女の頑張り、頑固さ、そしていい娘っぷりが出てきて、私的好感度急上昇です。
私はこのゲームで3回涙しましたが、その内2回は彼女の独白シーンでした。
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浅倉奈緒子(あさくらなおこ) CV:篠崎双葉 |
高見塚学園生徒会長。
外面はとても良いが、内面はとてもブラックなかっこいい人です。
容姿端麗で八方美人だが、実は傍若無人で利己的。
頭脳明晰で仲間の危機には全力で助ける。
どこを取っても好きです。かっこいい。
個別ルートではデレっぷりも見れて、更に良。でした。
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六条宮穂(ろくじょうみやほ) CV:草柳順子 |
主人公の後輩ながら高見塚学園理事長代理。
どんくさく不器用なお嬢様です。
寮生たちに洗脳され、笑顔で毒を吐くブラックキャラに。が、いじられキャラは変わらず。
ボケもツッコミもこなし、どんなシーンでも笑いを提供してくれます。
いじられて困りつつも、笑顔のドMな彼女が可愛いです。
個別ルートでは主人公にベタボレ。
見事なバカップルでした。
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藤村静(ふじむらしず) CV:北都南 |
主人公の後輩。
気まぐれで運動神経抜群な猫娘。
萌えとは彼女のためにあります。
普段は感情表現に乏しく気ままな娘ですが、主人公には甘えてきます。
彼女も物語を通じて成長が見られるキャラです。
「決めた!」「………さえりが、戻るまで、がんばろ」←お気に入りシーン |
桐島沙衣里(きりしまさえり) CV:紫苑みやび |
つぐみ寮の寮長にして、高見塚学園の教師。
一番年上で、一番ダメダメなキャラ。
ぐーたらで怠け者だが、熱血な一面も持っているなぜだか憎めないキャラです。
愚痴をこぼしつつも寮生のために頑張る姿が、とても好感持てました。
大人の女性なのにダメっぷりが可愛く、頑張ってる姿に思わず応援したくなりました。
彼女の最大の見せ場?である職員室でのあのシーンは、ドキドキしつつもなぜか笑える名シーンです。
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三田村茜(みたむらあかね) CV:涼宮琉那 |
今年やってきた転校生。
底なしの明るさと早口が特徴的です。
無呼吸で3分以上話すマシンガントークを武器に、半サブキャラながら圧倒的な存在感です。
出番は他のヒロインと比べて少なめですが、そのテンションの高さで十分カバーしてます。
ネタバレ要素を含む為、一応隠します。
(反転)
彼女の見せ場は「約束の日」終了後に出てくるオマケルート。
ヘタレてる主人公を一生懸命励ましてる姿は、とても一途で良かったです。
(反転終了)
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サブキャラ |
個性的なヒロインばかりの為、どうしても印象は薄くなってしまいました。
そんな中、隆史さんのかっこよさは異常。
はしゃぎどころを知っている頼れるお兄さんって感じです。
こういう人が周りにいたらよかったな〜と思わざるをえないです。 |
<主人公> |
10 |
かっこいい。それに尽きます。
年相応に悩み、苦しみながらも、仲間のために頑張る姿はとてもいいです。
心理描写もよくしてあり、感情移入しやすかったのも高評価の一因だと思います。
女性にもてる為の努力は惜しまず、その才能もあるってのがまたいいです。
つーか、あの曲を作曲するって…。 |
<絵> |
9 |
活き活きとして可愛らしい絵です。
やや淡い色使いで丁寧な印象でした。
立ち絵でも、表情ですぐ感情が伺えるレベルの高さがありました。
CGは124枚。
やや多めだと思います。 |
<音楽> |
10 |
OPは爽快でアップテンポな曲。
とても綺麗でいい曲です。
EDは寮生たちが歌う曲。
私個人としては史上最高の曲です。
演出も相まって、涙が止まりませんでした。
挿入歌はしっとりとしたバラード。
こちらも、心に染み入ってくる名曲です。 |
<システム> |
10 |
もはや文句の付けようのないシステムです。
必要機能はもちろん確保。
それ以外にも、システムボイスや演出切り替え、個別のテキストカラー調整等、様々な機能がありました。
セーブ箇所は99箇所+オートセーブ10箇所。
セーブデータはセーブ日時の他、シーンタイトルとシーン画像、メッセージの一部が保存されます。
数的には十分だと思います。 |
<総合> |
96 |
この作品の唯一にして最大の欠点は、声優の配役にあると思います。
決して下手ではないですが、キャラに合っているとは思えない声優が何人かいました。
私は進めていくうちに慣れましたが、人によっては抵抗感があるかもしれません。
欠点はそれぐらいで、読みやすいシナリオ、魅力的なキャラたち、伏線を回収しつつ驚きのある展開。
音楽からシステムに至るまで、ほぼ完璧といえる作品です。
攻略に関して一つ、このゲームの真のヒロインである海己は最後にプレイすることをお勧めします。
(以下ネタバレ)
「約束の日」のあの合唱はあまりにもすばらしくて、コメントしようもありません。
あれだけ強気の会長が一番最初に泣くのも、グッとくるものがありました。
最後の茜ルートですが、ちょっとインパクト不足かな〜と思いました。
ボリュームも少ないですし、あくまでオマケとして捉えるべきなんでしょうね。
(ネタバレおわり) |
<お気に入りキャラ> |
浅倉奈緒子
文句なし。
完璧超人でブラックな人にデレられたら無理です。 |