車輪の国、向日葵の少女

『あかべぇそふとつぅ』 オフィシャルサイトへ

総合 シナリオ キャラ 主人公 音楽 システム
92 9 9 10 9 9 9


発売日
2005/11/25
ジャンル
ヒューマンドラマADV
メディア
DVD-ROM(約1.3GB)
シナリオ
るーすぼーい
原画
音声
主人公以外フルボイス
OP、ED・挿入歌:片霧烈火
CG枚数
99枚
セーブ数
150箇所+オートセーブ10箇所
システム
クイックセーブ・ロード、全画面表示、バックログ、メッセージスキップ、オートモード、ボイスカット・個別調整


<概要>
罪を犯すと『特別な義務』を負わされる国で、罪人を更正指導する『特別高等人』を目指す主人公。
最終試験のため訪れた田舎町で、様々な義務を負った少女たちと出会う。
贖罪を問われた主人公は、車輪の国にどういった真実を見るのか。
<シナリオ>
9
故郷の街に戻ってきた主人公が義務を負った少女たちの監督を通して、人の心や絆を知っていく物語です。
ギャグを含めた会話などコミカルな場面もありますが、基本的には心に問題を持ったヒロインたちとの交流ということで、シリアスなストーリーになります。


全5章構成で、1章が序章、2章から各章で一人ずつ監督するという形で進んでいきます。
監督するときは一緒に暮らしますので、基本はそのキャラを中心としたストーリーです。
その章のメインヒロイン以外のヒロインがほとんど出てこないので、そこは少し寂しい感じでした。
あと、結構長いです…。

1章では、学園で各キャラとの仲良くなるまで。
笑いあり、シリアスありの日常はそれほど重くもなく、バランスのよさを感じました。

2章から4章までは各キャラルート。
各ヒロインと一緒に暮らしながら、ヒロインの心の問題を克服していきます。
様々な問題を主人公がどうするのか。感情移入せざるを得ない展開になっていきます。

5章は怒涛の展開です。
今までの設定や伏線の使い方は絶妙で、何度も驚かされました。
特に、「彼女」の登場シーンは見事としか言いようがありません。
とても良く練られていると感心します。
最後はハッピーエンドですが、最終盤からエピローグにかけてやや不満が残りました。
これほど長いストーリーなのにEDが短い気がしましたし、最後のとっつぁんもどうかな〜と。


誤字脱字はほとんど気になりません。テンポもいいです。
<キャラ>
8
日向夏咲(ひなたなつみ) CV:新城麻奈
主人公の幼馴染み。
おっとりしていて、人の話を聞かないマイペースな娘です。
異性に触れることが出来ない「恋愛できない義務」を負っています。

人と話すのが苦手なので、序盤は夏咲のウジウジ感にイライラしましたが、物語が進み夏咲が抱える心の傷を知るにつれて、イライラはなくなっていきました。
終盤の夏咲は芯の強さを持ついい女でした。

三ツ廣 さち(みつひろさち) CV:芹園みや
明るく元気なクラスメイト。
運動神経が良く、頭の回転も速いが怠け者。
「1日が12時間しかない義務」を負っています。

さっぱりとした性格で基本は笑顔。
主人公との掛け合いではボケたりツッコんだり、イジったり…。
こういうすがすがしいキャラは見てて気持ちいいです。

「まなのお姉ちゃんはすごいんだよぉ!」←さちルートでのお気に入り

大音 灯花(おおねとうか) CV:紫華すみれ
主人公のクラスの学級委員長。
あまり委員長という感じはなく、どちらかというと空回りしてるうっかりさんです。
親権者に絶対服従しなければならない「大人になれない義務」を負っています。

優柔不断で気が強く、イジられるのが嫌いなわがままな娘です。
一応、ツンデレキャラですが、あまりのヘタレっぷりにさすがの私もちょっと引き気味でした。

樋口璃々子(ひぐちりりこ) CV:籐乃らん
主人公の姉。
基本クールビューティーなのに、時折お茶目な一面も見せるドSなお姉さまです。
主人公が子供のころ、強く育てようとかなり無茶なことをやってます。
大学進学のため家を出て都会へ。

彼女に関しては簡単な説明でもネタバレ要素を含んでいます。
出来るだけそういった要素を出さないようにしていますが、一応隠します。
(反転)
5章で登場し、いきなり裏ヒロイン的なポジションに立ちます。
抜群の精神力と行動力、頭の切れを持ち、主人公の力になる姿はかっこよすぎます。
5章は彼女のためにあるようなものかも知れません。

(反転終了)

サブキャラ
メインヒロインを超えかねない、いいキャラが多いです。
特に主人公の直属の上司である法月は抜群の存在感を出しています。
上司にするのは怖いけど、将来こういうおっさんになりたい…と、不覚にも思いました。
あと、まなもお気に入りです。
彼女の強さと可愛さはすごいインパクトを持っていました…。
<主人公>
10
自称完全超人。
いや、客観的に見ても完全超人。
強さと優しさと賢さを持った、しかし独り言の多いちょっと危ないヤツです。
ギャグもシリアスもアクションも出来るかっこいい主人公ですが、あまりにも出来るので、そこが受け入れられないとちょっと苦しいかもしれません。
<絵>
9
特にクセもない、かわいらしい絵柄です。
崩れたところもほとんどなかったと思います。
向日葵の背景が多く印象的でした。
あと、夏咲の寝ぼけ顔が可愛かった…。

CGは99枚。多くもなく少なくもなくですね。
私的にはデフォルメキャラが可愛く、お気に入りでした。
<音楽>
9
OPは壮大なミディアムバラード。
アニメーションと合わせると、とてもいい雰囲気にさせてくれます。
かなり好きな曲です。

EDもバラード。
こちらはよりしっとりとした曲調ですね。

挿入歌も静かな曲ですが、こちらはあまり印象に残りませんでした…。

BGMは落ち着いた曲が多め。
ストーリーがそういう雰囲気なので、合ってると思います。
<システム>
9
基本的なものはそろっています。
不都合を感じることはなかったですし、キャラ別にボイス設定できたり、コンフィグ画面でショートカットキー一覧が見れるなど、なかなか便利な機能もありました。

セーブ数は150箇所+オートセーブ10箇所。
セーブ日時の他、章番号、シーン画像、自由記述のコメントが保存されます。
これだけあれば十分でしょう。
<総合>
92
重厚なストーリーを読みやすい軽快なテンポで描いたシナリオは、すばらしいの一言です。
設定は正直無茶な感じを受けましたが、違和感のない緻密な展開は、その設定に何の疑問も持てないほど引き込まれました。


キャラエンドがありますが、選択肢が序盤の上、その後の展開はほとんど共通。
さらにそのEDは短いので、2週目以降はかなりきついです。
その辺をどうにかして欲しかったですね。


重い展開になりますので、そこは好みの問題だと思いますが、シナリオ重視の私としては、ほとんど言うことのないすばらしい作品でした。
(以下ネタバレ)
なんといっても璃々子の登場シーン。
独り言の多いという設定でユーザーに説明しているのかと思っていたので、かなりの衝撃でした。
さらに、ヤク中っぽかったのも実はフェイクだったと、とっつぁんに勝つシーンにもしびれました。

(ネタバレおわり)
<お気に入りキャラ>
樋口璃々子
かっこいいです。
でも、守ってあげたいとも思える…。
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